好きなことを、好きな分だけ。

世界一面白い日記書く人です。どんな名文よりもすばらしい駄文を書くために、日々精進しています。

恋とパプリカ

200912

 

昨日は3時まで起きていて、今朝は8時に目が覚めたのであまり眠れていない。女友達ののろけ話をずっと聞かされていたのだ。気付いたら彼女に好きな人がいることを知らされて、気付いたらのろけ話になっていた。

そんな日記で取り上げるような話はしていないけれど、ひとつだけ記録しておきたいことがある。

 

それは、俺は声に感情が乗りやすいので注意しなくてはならないということだ。これは以前から言われていることでもあった。以前、配信に俺があまりいい印象を持ってないリスナーAが来た時に、他のリスナーにAのことをよく思っていないことがばれた。俺がそのAの名前を呼び方が異様に沈んでいたらしい。俺は思ったより本心を取り繕うことが苦手なのかもしれない。そしてそれは、昨日の通話でも指摘されてしまった。

 

「ひょっとしたら私の自意識過剰かもしれないけど」その女友達は言った。

「もしかして私のこと好きだったりする?」

そんなことなぜ聞くのか、と俺は尋ねた。のろけ話の話を持ち掛けられたとたんに俺の声が急に沈んだからだ、と彼女は答えた。

答えを先に言う。俺は彼女に恋愛感情はもっていない。

 

恋をした俺ほどわかりやすいものはない。脳みそは意中の人で満たされ、沸騰する。街角や大学の教室や路地裏。いたるところで意中の人を探してしまう。口を開けば体の中からその人への恋情があふれ出してしまうし、夜はその人のことを考えながら眠りに落ちる。意中の人がいない場所の空気は薄くて、死んでしまいそうになる。そうだ、俺は命を削って恋をしてきた。この恋がかなうなら死んでもいい。でも叶ったなら永遠にともに生きていたい。アンビバレント基地外じみた感情の爆弾を胸に秘めて俺は恋をしてきた。くだらないラブソングとか臭い詩とかそんな言葉じゃ言い表せない。今まで見たものが全部まがい物に見えるくらいの恋をしてきた。

 

そろそろくどいのでこの辺にしておく。でも、彼女に対してそんな徴候は現れない。だから、その女友達に抱く感情は恋じゃない。しかし、俺の声の沈みはいったいなんだったのか、気になるところではある。

 

話がそれてしまった。今回の件で分かったのは、声の調子は俺がどうにかしようとしてもどうにもならない部分があるということだ。今後は気を付けなければならない。

 

 

おまけの話としてもう1つ。

 

それは、俺が日ごろからお世話になっている先輩、塚本さんと映画の話をしたという話だ。塚本さんは無類の映画好きで、今日も家に帰ったら映画を見るらしい。おっ、君はそんな人と渡り合えるくらい映画知ってるんだー、と思われそうだが、全然そんなことはない。むしろ映画はあまり得意ではなく、かの名作「ラ・ラ・ランド」「レミゼラブル」を途中で見るのをやめたレベルである。俺の中でミアはいつまでも売れない女優のままだし、ヴァルジャンはいまだ牢獄の中である。

しかし、教養として名作と呼ばれる映画は知っておきたい部分はある。人と話すときにいいネタになったり、名作を通じて映画の面白さとはどういうものなのか知りたいと思うからだ。もうすぐ一人暮らしを始める予定なので、そうなったらプロジェクターでも買って映画を堪能しようと思う。

映画と言えば、映画監督の今敏氏が亡くなってから先月で10年たったことに気が付いた。彼の最も有名な作品は、「時をかける少女」を書いた作家・筒井康隆の小説をアニメ映画化した「パプリカ」である。f:id:sukinabundake:20200915185050j:plain

「パプリカ/千葉敦子は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを使用するサイコセラピスト。ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、それを悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するようになる。敦子達は犯人の正体・目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。」(Wikipediaより)

パプリカは主人公である千葉敦子の夢の中での仮の姿である。要するに、千葉敦子はパプリカとして他人の夢に潜入し、DCミニを悪用する輩と対峙することになる。

私はこの映画を見たときにとんでもない衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えている。まずその作画。2006年に公開されたかなり古い映画にもかかわらず、今見てもそん色なく、むしろ「パプリカ」全体を通した芸術性では現代の映画のそれを上回っているように感じる。また、世界観もすばらしい。SF文学の巨匠・筒井康隆の描く、狂気ともとれる混沌とした世界が描かれているにも関わらず、話は一貫していて描写もうるさくない。この世界観のために、視聴者は「狂っていることが正常」な世界に没入することができる。

まあこんな風に説明したとてパプリカの魅力は伝わらないと思う。百聞は一見に如かず。気になった人はぜひ観てみてください。

 

というわけで今日はこの辺で。もうねる。おやすみなさい。