好きなことを、好きな分だけ。

世界一面白い日記書く人です。どんな名文よりもすばらしい駄文を書くために、日々精進しています。

金田一がいっぱい!/イソという女/村上春樹の魅力

200910

 

今日は昼に起きて即座に研究室に向かった。

なんだか今日は天気が悪かった。雨が強まったり、弱まったりしてたから、弱まったタイミングを見計らって家を出た。

 

研究室に着いて始めにやることは、直属の先輩、塚本さんと駄弁ることだ。最近の俺はおしゃべりのために研究室に浸っている。先輩や親しい人達が研究室からいなくなってしまったら俺はどうなるんだろう。おしゃべりだけが研究室に来る理由になっているなんて、俺は研究者に向いてないんじゃないだろうか。そんなことを考えつつも、周囲に流されながら実験に励んでいる。

 

塚本さんとは最近見ている映画の話をした。塚本さんは映画が趣味で、アマゾンプライムで毎晩映画を見漁っている。

最近は金田一を見ているというから、金田一少年ですか?と聞いた。そしたら「違う」という。どうやら金田一少年ではないらしい。

国語辞典をつくる話ですか、と聞いた。そしたら「違う。それは金田一春彦や」という。どうやら「舟を編む」的な金田一が国語辞典をつくる話でもないらしい。

よく聞いてみると「金田一少年の事件簿」は金田一推理小説の派生であって、元祖は「金田一耕助シリーズ」というものがあり、塚本さんはこれを見ているとのことだった。

金田一耕助とは架空の私立探偵で、江戸川乱歩明智小五郎高木彬光の神木恭介と並んで「日本の三大名探偵」と称される探偵である。ちなみに金田一耕助シリーズの作者は横溝正史であって、金田一とはまるで無縁である。

世の中にはいろんな金田一さんがいるなあと思った。

ちなみにそのあと塚本さんに「今日早く帰るんですか?」って聞いたら「今日は早く帰るぞ!」って言っていた。「何時ですか?」って聞いたら「23時半…。」って言っていて、これがラボ畜かあって思った。

 

今日は研究室にイソがやってきた。イソは俺の研究室の同期の女である。こいつは富山の生んだ秀才で、うちの大学の医学部医学科に現役合格する実力を持ち合わせている。東大法学部の兄をこよなく愛していて、一定の学歴がなければごみのような目で見てくるので、俺のような底辺は小馬鹿にされるだけである。

しかし腐ってもお互いにとって研究室唯一の同期なので、たまには喋ったりすることもある。デートの際には恋愛相談に乗ってもらったり、俺が日記を勝手に送り付けては「怪文書」だと罵られたこともあった。その分俺もお返しはしていて、この前もパワーポイントの課題を実質俺が作ってあげた。

そのイソが今日研究室に来たのは、パワーポイントの課題のお返しをするためだ。

来た、と思った。とうとうこの時が来たか、と。

彼女は以前よりお返ししようしようと言っていて、そのたびに俺がデートしよう!!て言い続けてきた。そしてそのたびに断固拒否されていた。しかし俺はイソというダムをたたき続けた。そのダムがいつか決壊することを願って。

そんなことはどうでもいい。イソは今回のお返しに懸けている。俺が課題を終わらせてやったという恩を。

イソはまず塚本さんのもとへ行った。まあこれは予想していた流れ。まずは年齢が高い順にお礼参りするのが筋だろう。しかも驚くべきことに、塚本さんへのお返しはゴディバのチョコクッキーであった。これはくる。俺にはとんでもないものが来る!!俺は確信した。

次にイソは俺のもとにやってきた。正直庶民の俺にはゴディバのチョコ以上のものは思いつかない。

なにがくる。何が来るんだ。

そこでまさかの

き の こ の 山

俺も目を疑ったね。どうしたイソ。何があったんだイソ。

最後の最後にスライド一通り見せて、「いいね~」って言っただけの先輩にゴディバ。一生懸命尽くしに尽くしてくれた同期にきのこの山。これはおかしくないか。なんなら俺たけのこ派なんだが。

しかし、男児たるものもらったお返しに対してケチをつけるのは無粋である。しかしこれだけは伝えておかねばならぬと思い、俺はイソとのLINEを開いた。

「俺はたけのこ派だ!!二度と間違えんじゃねえぞ」

そしたらイソから返信が。

「気が向いたら覚えとく笑

恋愛相談もいっぱい乗ってあげたし、よく分かんないライン(日記の件だと思われる)にも丁寧に答えてあげたのにな…

君のたけのこ並みの成長に期待して、今度はたけのこにしてあげるよ笑」

こういうところはいい女だと思ってしまう。イソ、お前に彼氏ができない理由はお前のスカイツリーのごとく高じたプライドと、男側の見る目がないからだぞ。

「さんきゅな」と送っておいた。

 

最後に、今日友達の配信に寄ったことも書いておく。その配信で村上春樹の代表作「ノルウェイの森」の話をした。そもそもそんな話になった発端は、ノルウェイの森のヒロイン・緑を誉めたリスナーがいたことだった。俺もノルウェイの森は読んだことがあるし、村上作品の中でも好きな部類なので話に乗っかったのだ。まあその配信で展開されたノルウェイの森の話はどうでもいいのだけれど、個人的には村上春樹に少しでも興味を持ってくれた人が現れたことがうれしかった。賛否両論分かれるものではあるが、個人的には村上春樹の小説は総じて好きだ。アメリカかぶれの話し方も、他の人が思いつかないような秀逸な例えも、様々な解釈がわかれるような物語の構成も。文章一つ一つが精巧な腕時計の歯車のようにかみ合って、動きのある文章が練りあげられている。ぜひともそんな世界を他の人にも体験してほしいと思う。

 

今日はこの辺にしておく。

研究室で徹夜してしまったので早く帰って寝る。おやすみなさい。